ナホトカ航路とシベリア鉄道旅行準備　1985年

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旅行の手配

　旅行準備で最も時間を要したのは旅程を確定することとビザを取得することだった。ソ連は全ての旅程予約が確定したうえでバウチャーが発行され（支払いも同時だと思う）、そのバウチャーを添付し査証が発給された。つまり、予約が確定しないとビザも発給されないシステムだった。はっきり覚えていないがソ連と東欧のビザ取得、そして、ソ連国内の旅程の確定に１ヶ月程度は費やしたと思う。

旅行代理店の選定とビザ（査証）取得手続き

　このような事情から初めてソ連を旅行する者が全て自前で手続きをするのは最初から無理とわかっていたので、ソ連を専門にしている旅行社を２－３あたって、その中で最も親切そうな日ソ旅行社（今はロシア旅行社となっている）という旅行代理店へ旅程の手配をお願いした。この旅行社、料金も一番安かった。

　ソ連以外の東欧諸国のビザについては、同時並行的に申請、ソ連国内の予約手続きが進行している間にチェコスロバキア（広尾）、ポーランド（目黒区三田）、ハンガリー（代官山）の３カ国を取得した。広尾、代官山、目黒区三田など申請及び受取とバイクで飛び回った。狸穴にあるソ連大使館へも予約が確定した後、ビザ申請と受領のため足を運んだ。（大使館の場所は当時）

旅行計画と予約

　日ソ旅行社へお願いするにあたって'こちらである程度プランを考えて持ち込み、その予約を入れてもらった。当初、バルト３国へいく計画だったが、ホテルの予約が入らず、その分をキエフへ振り替えた。値段的にはほとんど変わらなかったと思う。

　余裕のある旅行ではなかったのでホテルは安いのにしてもらおうと思ったが外国人は選択肢がほとんどないとの、これは旅行社にお任せした。モスクワではモスクワオリンピックのときに建設されたコスモスホテル、他の都市はインツーリストホテルだった。

　ホテルのベッドに寝られるのはこの旅行の中では贅沢だった。後は列車の中という結構な強行軍だったからだ。

　こんな状況だったが駆けずり回って旅行の手配をし1985年6月29日に横浜港から出航できることになった。

ソ連へ旅立った1985年頃の出来事

　１９８０年代は、いろんなことがあった。ソ連とこのときの旅行に関係していた主要な出来事は次のようであった。

モスクワオリンピックボイコット
　1980年に開催されたモスクワオリンピックに対して、1979年12月におきたソ連によるアフガニスタン侵攻に抗議する形で、米国カーター大統領がモスクワオリンピックボイコットを提唱、西側陣営もこれに同調した。

イラン･イラク戦争勃発
1980年9月22日、イランイラク戦争勃発。1988年まで続く。

ブレジネフ書記長死去
11.10 ブレジネフ・ソ連書記長死去（11.12，後任にアンドロポフ政治局員）

大韓航空機撃墜事件
1983年9月1日、民間航空機である大韓航空機KAL-007便が、ソビエト連邦の領空を侵犯したために撃墜された。撃墜されたのは、大韓航空のボーイング747でニューヨークからソウルに向かうKAL-007便であった。ソ連の領空を侵犯したあと、領空から出て30秒後に、サハリンの近海に墜落した。

アンドロポフ書記長死去
2.9 アンドロポフ・ソ連書記長死去（2.13，後任にチェルネンコ政治局員）

チェルネンコ書記長死去、ゴルバチョフ書記長就任
1985年3月11日、チェルネンコ書記長死去（3月10日）によりゴルバチョフ政治局員、書記長就任。

日航123便、御巣鷹山へ墜落
1985年8月12日、羽田発大阪行き日航123便が御巣鷹山へ墜落、524名の命を奪う。
この事故は私の誕生日に起きたので忘れられない。

プラザ合意
1985年9月22日、行き過ぎたドル是正と米国の貿易赤字解消を目的にNYで開かれたG５で参加国の通貨をドルに対して１０－１５％切り上げる協調介入が合意された。出発した6月29日の為替レートが1ドル248円、会議前240円、会議終了、市場が開けて232円、10月1日には216円になっている。

チェリノブイリ原発事故
翌1986年4月26日、ソ連邦ウクライナ共和国チェリノブイリ原子力発電所でメルトダウンが発生した。

出発した時のルーブル対USD為替レート(円換算、1ドル=248円）

対Roubleレートその1	06/29/1985	￥248.40	あるweb
対Roubleレートその2	1985	\380	私の記憶とメモ

参考図書

シベリア横断鉄道　赤い流星「ロシア号」の旅、NHK取材班、１９８２年発行

ナホトカ航路とシベリア鉄道旅行準備 1985年

ナホトカ航路とシベリア鉄道旅行準備　1985年